2023年02月01日

奈良公園のシカ

奈良公園の鹿が遺伝的に独自な集団であったというニュースについての深掘り
色々とソースをあたってみる。
Twitter
幣束
@goshuinchou

7時間
奈良公園の鹿が独自の遺伝子持ってた件、すごく面白いですが、奈良市内の鹿は明治維新後に当時の神仏分離事業などを率先して行なった県令(知事)によって、鹿が神の使いなど迷信であるとして駆除され一時期40頭くらいまで減り絶滅寸前まで行ったことがあるので、残ってて良かったなと心から思う。

Wikipedia
明治時代には、明治4年(1871年)、中央派遣の四条隆平県令が、鹿による農作物被害軽減として、放し飼いを停止して代わりに鹿苑を造り、鹿を収容した。しかしながら、野生の鹿が狭い場所に慣れず、餌不足と、野犬侵入、病気などで死に38頭に激減する。
奈良県の堺県への合併により、1876年(明治9年)に再度開放し、1878年(明治11年)12月2日奈良町と高畑、水門、雑司、川上、中ノ川、白毫寺、鹿野園など周囲8カ村と春日奥山に殺傷禁止区域が設定され、旧興福寺領を中心に1880年(明治13年)2月14日に奈良公園となる。しかし、1890年(明治23年)には周囲の食害が大きくなり、周囲村の要望で禁止区域が、奈良町と奈良公園(春日奥山含む)と春日大社境内に縮小される。そのため区域外へのおびき出しによる密猟などが横行し、1891年(明治24年)に鹿の状態を憂いた現在の「奈良の鹿愛護会」の前身となる「春日神鹿保護会」が設立された。以後、「公園の中の鹿」として増加し、親しまれるようになる。1941年(昭和16年)には806頭を数えた。しかし、第二次世界大戦末期の1943年(昭和18年)には350頭。さらに、戦後の混乱期の食糧難による密猟で1945年(昭和20年)79頭まで激減し、翌年、奈良公園に行っても鹿の姿がほとんど見られないという深刻な状態になる[15][16]。1948年(昭和23年)には120頭に持ち直し[17]、その後の社会の安定で再び増加し、1000頭前後に安定する[18]。市民の鹿への愛着と共存意識が深くなり、修学旅行の実施と観光の復活とともに、全国的に知られたマスコット的な存在となる。


Journal Article
A historic religious sanctuary may have preserved ancestral genetics of Japanese sika deer (Cervus nippon)
Toshihito Takagi, Ryoko Murakami, Ayako Takano, Harumi Torii, Shingo Kaneko, Hidetoshi B Tamate
Journal of Mammalogy, gyac120, https://doi.org/10.1093/jmammal/gyac120
Published:
30 January 2023
Article history

Deer have been a major resource for human populations for thousands of years. Anthropogenic activities, such as hunting, have influenced the genetic structure and distribution of deer populations. In Japan, wild Japanese sika deer (Cervus nippon) have been hunted since ancient times




ABSTRACT
but have also been historically protected as sacred animals in several sanctuaries. Sika deer have been protected for over a thousand years in the religious sanctuary around the Kasuga Taisha Shrine on the Kii Peninsula, located in the center of Japan. Here, we used short sequence repeats (SSR) and mitochondrial DNA (mtDNA) to investigate the genetic diversity, population structure, and demography of Japanese sika deer inhabiting the Kii Peninsula, Japan, and discuss possible anthropogenic influences. Using SSR, three distinct genetic groups were distinguished on the Kii Peninsula: an Eastern genetic group, a Western genetic group, and an isolated genetic group with individuals in the religious sanctuary of Kasuga Taisha Shrine in Nara city. The isolated genetic sanctuary group had only the mtDNA haplotype S4. The SSR genotype data suggested a newer divergence time of the genetic groups of the religious sanctuary than would have occurred as a result of Late Quaternary climate change. This time scale coincided with the establishment of the sanctuary with Kasuga Taisha Shrine. Thus, the religious protection conserved genetic variation over a thousand years.
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2020年06月22日

食中毒の新たな原因微生物、クドアとユニカプスラ(粘液胞子虫)

 先日松江市の回転すし屋で食中毒があり、原因が「ユニカプスラ」と報道されました。

 不勉強ながらユニカプスラを知らなかったので、急遽調べたところ、近年話題になったクドア・セプテンプンクタータ(Kudoa septempunctata)と近縁の粘液胞子虫とのことです。
kudoa.jpg
(クドア・セプテンプンクタータ:独立行政法人水産総合研究センター)

クドア・セプテンプンクタータには「ナナホシクドア」という和名があるそうです。

 ユニカプスラ(Unicapsula seriolae)による食中毒はすでに何例か報告されていて、便からの直接検出やPCR検査法もできるようです。

クドア食中毒の臨床症状は下痢、嘔吐が主で発熱を伴うこともあるが、軽症で終わることが多く予 後も良好である。潜伏期は短く、喫食後数時間程度で発症する事例が多い。(神戸市環境保健研究所 感染症情報)


神戸市環境保健研究所 感染症情報 に粘液胞子虫による食中毒が詳しくまとめられていました。


以下は国立感染症研究所(NIID)の文献
カンパチに寄生したKudoa属に近縁な粘液胞子虫 Unicapsula seriolaeの関与が疑われる集団有症事例―広島県

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2020年02月01日

エゾウイルス

ダニから感染するSFTS(重症熱性血小板減少症)によく似た新しいウイルスが北海道で発見されました。

 症状はSFTSによく似ているのですが、SFTSウイルスは検出されず、詳細な検査によってオルソナイルウイルス属の新しいウイルスが発見され、エゾウイルス(Yezo Virus)として報告されました。

発熱を伴う白血球減少・血小板減少症は同じくウイルス性のマダニ媒介性疾患であるSFTSに類似した症状であった。フェリチンの著明高値は血球貪食症候群を示唆したが, 今回検査した骨髄検体においては確定診断には至らなかった。また両下肢痛, CK高値, ミオグロビン尿から, 本患者では筋炎や横紋筋融解様の病態が特徴的と考えられた。

国立感染症研究所病原微生物検出情報(IASR)より
北海道における新規オルソナイロウイルス(エゾウイルス:Yezo virus)によるマダニ媒介性急性発熱性疾患の発見
タグ:ダニ SFTS
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2020年01月11日

中国で発生した原因不明の肺炎について(新型コロナウイルス )

中華人民共和国湖北省武漢市で、2019年12月以降、原因となる病原体が特定されていない肺炎の発生が報告されています。
MERSやSARSに似たコロナウイルス属が疑われています。

厚生労働省の2020年1月10日付報道発表資料より引用
感染経路:不明。ヒト-ヒト感染の明らかな証拠はない。また、医療従事者における感染例も確認されていない。
患者の検体から新種のコロナウイルス属の遺伝子配列が検出されている。
1月5日現在、中国では59例の確定例(うち7例は重症)。死亡例なし。

補足(1/11付NHKニュースによると1名が死亡した)

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2016年02月03日

ジカ熱の国内発生は有りうる?(メモ)

 ジカ熱はデング熱と同じフラビウイルス属であり、感染様式も似通っているとされる。また媒介する蚊も日本国内に生息するネッタイシマカであることから、一昨年のデング熱と同様のことが起こる可能性がある。

 すなわち、海外でジカ熱に感染した患者が国内で蚊に刺され、その蚊が他の人を刺すことでヒト〜蚊〜ヒト感染を引き起こすことが十分に考えられる。

 防疫関係者はデング熱の後には同じ蚊媒介感染症のチクングニア熱が国内侵入する可能性を考えて、警戒していたようだが、ジカ熱はノーマークだったかもしれない。しかし、ジカ熱の流行が報道されてあまり間をおかずにジカ熱を4類感染症に指定すると発表されたのは、チクングニア熱を想定したシミュレーションが生かされたのかもしれない。
蚊媒介感染症予防指針(案)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/dl/dengue_fever_jichitai_20150428-02.pdf
(この項は、ブログ主の個人的な感想です。)
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ジカ熱についてのメモ

ヤブカ(Aedes)属の蚊によって媒介されるジカウイルスによる感染症である。ジカウイルスはデングウイルスと同じフラビウイルス科に属し、症状はデング熱に類似するが、それより軽い。

臨床症状・徴候
 潜伏期間は3~12日である。不顕性感染率は約80%とされている。過去の流行では詳細な症状の解析が少ない。2007年のミクロネシア連邦(ヤップ島)の流行では、発熱(38.5℃を超える高熱は比較的稀)、斑状丘疹性発疹、関節痛・関節炎、結膜充血が半数以上の症例に認められ、筋肉痛・頭痛(45%)、後眼窩痛(39%)というものであった。その他にめまい、下痢、腹痛、嘔吐、便秘、食欲不振などをきたす場合もある。しかし、ポリネシア連邦やブラジルの流行では、ギラン・バレー症候群や神経症状を認める症例が報告され、ブラジルでは妊婦がジカウイルスに感染することで胎児が感染し、小頭症児が多発している。胎児が小頭症と確認された妊婦の羊水からジカウイルスRNAが検出され、小頭症で死亡した新生児の脳の病理組織からもウイルスが検出されている。ジカ熱そのもので健康な成人が死に至ることは稀であるが、基礎疾患があり免疫力が低下している場合は死に至ることもある。

病原診断
 デング熱と比べて軽症である。通常は4〜7日間症状が持続する。実験室診断はPCRによるジカウイルス遺伝子(RNA)検出、IgM抗体検査やペア血清による中和抗体検査など、血清学的診断を行う。臨床的にはデング熱、チクングニア熱と症状が類似しているため実験室診断が必須であるが、デングウイルスとは近縁であり血清学的には交差反応が認められる。黄熱ウイルス、日本脳炎ウイルス、マレーバレー脳炎ウイルスなどのその他のフラビウイルスとの交差反応もあるので診断には抗体価の比較が必要である。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/6224-zika-fever-info.html
 (国立感染症研究所サイトより抜粋)
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2014年09月03日

昭和17年のデング熱大流行について

ネットで検索していて面白い資料を見つけました。昭和17年から19年にかけて国内でのデング熱大流行を調べた方の講演です。
読み応えのある内容ですが、ざっくり読むと。

○流行は、日本が戦争で南方と人や物資が頻繁に交流していた時代に起こった。
○当時の厚生省の公式統計では昭和17年に1万7千人が罹患したとされているが、実態はもっと多かったと推定されている。
○対策としては、「患者を蚊に接触させない」「蚊の発生を抑える」「蚊に刺されないこと」と国民に広報したが、蚊取り線香が南方戦線に優先的にまわされ、空襲対策で防火用水が大量にあるなど、思うようにいかず、流行は3年連続した。終戦で南方との行き来が減って自然消滅?

あと、当時デング熱対策でいろいろと研究がおこなわれているのですが、その中に石井という名の軍医とか、731部隊にかかわる人々が登場してくるのが興味深いです。

※ざっと読んでの要約ですから、解釈間違い等があるかも知れません。

元記事はこちら⇩
昭和17年デング熱の大流行からみた現代の感染症
    エントロピー学会東京セミナーでの講演記録(1997年2月22日) 牧 潤二
http://pws.prserv.net/maki-j/maki.htm
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2013年04月05日

鳥インフルエンザH7N9

世界保健機関(WHO)は中国で鳥インフルエンザ(H7N9)ウイルスのヒトへの感染の数を報告している。最初の症例は、2013年4月1日にWHOが発表した。

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H7N9インフルエンザとは

 インフルエンザH7ウイルスは通常、鳥の間で循環するインフルエンザウイルスのグループです。インフルエンザA(H7N9)ウイルスはH7ウイルスの大きなグループのうちの一つのサブグループである。
 一部のH7ウイルスは(H7N2、H7N3およびH7N7)時折ヒトに感染することが見出されているが、H7N9ウイルスとのヒトへの感染は、中国からの最近の報告まで報告されていない

H7N9インフルエンザの症状
 これまでのところ、この感染症の患者は、重症肺炎があった。症状としては、発熱、咳や息切れが含まれています。しかし、インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染が引き起こす完全な病態についての情報はまだ限定されています。

中国で報告されたH7N9の感染者数
2013年4月3の時点では、7検査確認症例は中国で検出されている。

(WHO,Frequently Asked Questions on human infection with influenza A(H7N9) virus, Chinaより一部引用。Google翻訳による)


厚生労働省は2013/4/3付で、WHOが作成した本疾患に関するQ&Aの仮訳を作成し、都道府県等に情報提供を行うとともに、医療機関に対して、鳥インフルエンザA(H7N9)感染が疑われる患者を診察した際は情報提供するよう、自治体を通じて協力を要請した。

(情報提供を求める患者の要件)
38度以上の発熱と急性呼吸器症状を呈し、臨床的又は放射線学的に肺病変(例:肺炎又はARDS)が疑われる者であり、発症前10日以内に中国に渡航又は居住していた者。
但し、他の感染症によること又は他の病因が明らかな場合は除く。

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中国におけるインフルエンザA(H7N9)ウイルスのヒト感染 - アップデート

2013年4月から2013年4月3日、中国の健康と家族計画委員会はWHOインフルエンザA(H7N9)のヒト感染の追加の4例を通知した。
4人の患者は、中国東部の江蘇省からのものである。これらの症例は互いに関連はない。続きを読む
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2013年02月14日

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

日本国内でダニによって 媒介されるウイルス性感染症SFTS(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome)による死者が2013/2/13現在3名確認された。
厚生労働省プレスリリース
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000002v5pa.html

臨床検査の現場では原因不明の血小板減少で海外渡航歴のない症例があった場合、この病気を疑う必要がある。

厚生労働省は2013年1月30日に以下の要件を満たす患者について情報提供を求めていた。

38度以上の発熱と消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血のいずれか)を呈し、血液検査所見で血小板減少(10万/㎣未満)、白血球減少(4000/㎣未満)及び血清酵素(AST、ALT、LDHのいずれも)の上昇が見られ、集中治療を要する、若しくは要した、又は死亡した者。ただし、他の感染症によること又は他の病因が明らかな場合は除く。

最初の死亡症例の血液検査所見では、白血球数(400/mm3)と血小板数(89,000/mm3)が著明に低下していた。また、AST、ALT、LDH、CKの高値が認められた。血液凝固系の異常、フェリチンの著明な上昇も認められた。尿検査で血尿、蛋白尿が認められた。
厚生労働省はこの疾患を四類感染症に指定し、発熱、血小板減少などの症状があり、SFTSが疑われる場合は届け出を医療機関に義務付ける方針

また、マダニの活動が活発になる時期を待ってSFTSウィルスの保有率を調査するとのこと続きを読む
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1999年09月14日

西ナイル熱(セントルイス脳炎)

WHO発 14 September 1999

アメリカ合衆国のセントルイス脳炎

 蚊によって伝達されるウイルス疾患のセントルイス脳炎(SLE)が9月の始めに最初にニューヨーク市で報告された。そのうち血清学的に確認された11例のうち3例が死亡した。その他の80例は調査中である。

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1997年12月12日

中国香港特別行政区のA型インフルエンザ(H5N1)

12 December 1997 WHO発

 中国香港特別行政区のA型インフルエンザ(H5N1)

 12月12日、調査により、A型インフルエンザ(H5N1)と疑われる3人の患者が見つかった。インフルエンザサーベイランスが強化され現在全ての病院と63の公的診療所を対象に実施された。
 確認された4人のうち最新の2例は各々11月20日と24日の発病だった。

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1997年08月21日

新型インフルエンザウイルス株A型(H5N1)

New Inflenza virus strain 新型インフルエンザウイルス株

21 Aug 1997 WHO発

 WHOは人の新しいインフルエンザウイルス株を確認した

今のところ人から人への感染はない。

 このインフルエンザウイルス-A型(H5N1)-は今まで鳥にのみ感染するウイルスととして知られていたが、昨年の5月に急性呼吸器疾患中にライ症候群で死亡した香港の3才の男児から分離された。

 しかしながら、これは今のところ人から検出された唯一の症例である。
 WHOの新興感染症監視局(EMC:Emerging and other Communicable Diseases Surveillance and Control )のDaniel Lavanchy 医師は「現在のところ、このウイルス株が人から人へ拡がる兆しはない。したがって当面特別の措置をとる必要はない。」と言明した。

 WHOは香港特別行政区の保健局、インフルエンザセンターと4つのインフルエンザ調査研究共同研究センター(アトランタ、ロンドン、メルボルン、東京)、そしてオランダの国際インフルエンザセンターとの密接な共同作業をもって注意深く(ウイルスの)拡散を監視する。

 たとえ今回の他にA型(H5N1)ウイルスが人から分離されなくても、香港または中国南部の他の地域の人がこの株に感染しているかもしれない。WHO共同研究センターからの科学者チームは8月20日に香港に到着し東京の国立感染症研究所とともに大規模な調査を指揮した。彼等は香港のインフルエンザセンターと香港保健局を補助してこの発見とその公衆衛生面での影響を予測した。

caution.gif以上の記事は私の貧困な英語力による要約です。正確で詳細な情報が必要な方は自分で原典を見ることをおすすめします。


インフルエンザウイルスの抗原型について

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1997年04月02日

ウガンダで35年ぶりに オニョンニョン熱が流行

12 March 1997 WHO発
O'nyong-nyong (ONN) fever オニョンニョン熱

ウガンダ、1996年6月:

 ウガンダ南西のラカイ地区の保健担当官は、脚の関節炎、皮膚の発疹、リンパ腺障害を伴う急性発熱性の病気の症例が増加していると通告した。この病気はウガンダ国内の隣接するムバララ地区とマサカ地区に拡大した。死亡例は報告されていない。

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1996年08月14日

クリプトスポリジウム原虫による水道水汚染と下痢症

 今年6月、埼玉県でクリプトスポリジウム原虫による集団下痢症が発生し、感染者は数千人に及んだ。

 町営の浄水場などからクリプトスポリジウムが検出されたことから、感染源は水道水とわかった。

 しかし、従来の塩素消毒ではクリプトスポリジウムは死滅しないことから、厚生省は国内外での感染例の詳細な検討、原虫の除去方法の研究、浄水の目標値の設定、感染症が発生した際の対応策の検討をはじめた。
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1996年07月04日

病原性大腸菌O157による食中毒

 5月以来、日本各地で腸管出血性大腸菌O(オー)157による食中毒が発生していたが、7月11日には大阪府堺市の小学生を中心に7月24日現在、6400人を超える患者が発生し、全国の患者は1都2府39県で累計8500名を超えた。(死者5名)

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1996年04月17日

テキサス州の猿でエボラ・レストン発生

1996/4/17 WHO発)

エボラ出血熱に類似した猿のレストンウイルス

 アメリカ合衆国テキサスの検疫施設に収容されていたヒト以外の類人猿(カニクイザル)からエボラ出血熱出血熱に非常によく似たフィロウイルス属のレストンウイルスが分離された。
 採集時に一匹は死亡し、別の一匹は発病していた。これらの猿はフィリピンから輸入された。現時点でヒトの病気を疑わせる兆候はない。CDC(国立防疫センター)のチームがこの施設での今後の調査を指揮している。

 レストンウイルスは1989年にワシントン特別州のすぐ外側のバージニア州レストンの収容施設で、フィリピンから輸入されて死亡した猿から発見された。これらの猿たちはしばしば死に至るひどい病気に苦しんでいた。
 限られた情報は、ヒトは臨床的な症状を発現しなことを示している。しかしこれは最初の事件が起きたとき症状を発現しなかった飼育係からレストンウイルスが分離され、臨床的な病気と無関係な抗体の陽性化があったことに基づいているにすぎない。

 輸入ザルに対する公式な検疫手続きは最初のレストン事件の後に確立された。そしてそれは今回の感染を明白に確認したこのシステムである。


テキサス州の猿でエボラ・レストン発生

(1996/4/15)
 CNNとロイター電の報じるところによると、Aliceの霊長類繁殖施設でそれは発生した。
 最近、その施設で2匹の猿がエボラ出血熱で死亡した。HRP社の数人の従業員は毎日この病気を監視していた。しかし、施設のどの飼育係も感染した猿にひっかかれたり、噛みつかれたりはしていなかった。しかしながら、CDCはこの施設へ「ホットゾーンチーム」を予防手段のために派遣した。

 感染した猿は3月21日にフィリピンから輸入された。一匹は3月30日に死に、もう一匹は先週末に死んだ、とテキサス保健局の伝染病学者のBen Barnettは述べた。
 この流行は1989年に一掃されたレストン研究所の猿の集団と同種の系列のものと信じられている。テキサスでも1990年にエボラ・レストンが報告されている。この事件ではいく匹かの猿が死んだが、人への感染はなかった。
caution.gif

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1996年04月04日

プリオン病原体(Prion)

プリオン病原体(Prion)

 ウイルス、細菌、ウイロイド(viroid)、カビなど今までに知られている病原体とは異なる蛋白病原因子。Prusiner(カリフォルニア大学)は1989年にこれをPrionと呼ぶことを提唱した。
 プリオンによって感染する病気はヒトのクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、クールー病、Gerstmann-Straussler症候群(GSS)。ウシの海綿状脳症(BSE)、ヒツジのスクレイピー病がある。
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1996年03月21日

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)

1996年3月21日WHO発
 
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)
 英国はこの数年に発病した42歳以下の10人の成人の患者を調査した。これらの患者と古典的なCJDの違いは以下の点である。

若年である(CJDは一般に高齢者の病気である)
脳における病理学的変化の違い
遺伝的素因のないこと(これらは典型的なCJDに含まれる)
 これらは牛海綿状脳症(BSE)との関連の直接的な証拠ではない。しかし、明らかな原因が不明な中で、1989年に英国内での管理措置が確立する前にBSEにさらされていたことと関連しているというのが最も近い解釈である。
 この推測は英国内で牛肉を食べることによって起こりうる危険を小さくするのに有効と考えられている。
 BSEが同じように発生したにもかかわらずアイルランド、フランス、ポルトガル、スイスでは同様なヒトの病気は見つかっていない。
 これらの国では人々を牛肉の消費による危険から避けるための予防手段がとられていた。
 WHOはもし他の国々でCJDの異常な発生を見つけたら国内の保健衛生専門家に通知することを勧告する

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1996年03月01日

74名が依然監視下にある

1996年3月1日WHO発

 2月29日において報告された患者は死亡18人を含め27人。
 患者の年齢は7才から65才(平均24才)。男性14名で内9人が死亡、女性は13名で9人が死亡している。
 患者に接触した187人のうち74名が依然監視下にある。
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1996年02月29日

ガボンでのエボラ出血熱

1996/2/29日WHO発

ガボンでのエボラ出血熱

 2月27日の時点で、致命的な17例を含む24例が報告されている。
ガボンでの健康省と国際医療チームによる管理措置がこれ以上の拡散を抑えている。

 しかしながら、散発的な二次発生が予想される。ガボンとカメルーン国境のDjoumへ病気が発生したといううわさの調査のため派遣された医療チームは、エボラ出血熱と疑われる症例を見い出さなかった。同様の検索のため別のチームが2月26日にブラザビルからコンゴの北部の村へ派遣された。
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